むむむ。Opera内部でもバグ報告の品質には悩まされてるんですかね。こちらは企業としてではなく、開発者のコミュニティとして対応しているので報告者に対して媚びる必要は無い状況ですが、Operaだと企業として対応しないといけなさそうなので大変そうですね。
Mozilla Japan発足当時にBugzilla-jpはコミュニティに残す方向で推した時、こういうことは考えていませんでしたが、もしMozilla Japanに移る形をとっていたら、この辺の調整ですごく大変だったかもしれないと思うとぞっとします。
そういえばOperaはバグが修正されたら報告者にフィードバックはあるのでしょうか? 昔、Operaにもコミットしようかと考えた時にやめたのはbugzillaのように開発現場が開かれていないため、バグの現状が分からないからでした。今となっては改善されてもコミットする暇もありませんが。
この辺の問題はMJでもまだまだ当分存在するであろう課題です。金融機関に限らず。
この手の問題には二つの原因があると考えています。
- サイトの製作サイド(発注者含む)のリテラシが低い
- インターネット利用者のリテラシが低い
一つ目のサイト製作サイドのリテラシが低いのは誰もが考えるところでしょうけど、本当に問題なのは二番目のユーザのリテラシの問題だと思います。
どういうことかと言うと、サイトの製作サイドからすればブラウザごとの検証にもコストがかかるので全てのブラウザの面倒なんか見てられない、という言い分があります。それは全くもってその通りですが、その発想の原因をよくよく考えてみると、ブラウザの選択は自己責任で行うという当たり前のはずのことがユーザには当たり前となっていないことにあると思います。つまり、ユーザが自分の選択したブラウザのバグが原因で、何かトラブルがあった場合、サイトの側には責任が無いことを本来は理解できていなければいけません。(サイトのバグかブラウザのバグか、ユーザが判断するのは難しいですが。) ですが、現在の状況ではサイト側がブラウザのバグの面倒を見なければユーザは納得しない、そのためにある程度以上シェアのあるブラウザ以外を閉め出す、ということに陥っているのだと思います。
こうなった原因がIEの独占であるとは思いません。Netscapeとの寡占状態でも同じ状態に陥っていたと思いますし、現に今、それっぽい状況に近づいているように思います。ですので、これはもっと根深い問題だと私は思います。そして、そういったユーザを啓蒙できるのは、ブラウザベンダではなく、サイトの製作者だと思います。なぜなら、この歪なユーザとの関係を産んだのは他ならぬ、そういうサイトの製作者でもあるからです。
私がサイト製作者にお願いしたいのは、特定のブラウザの特定のバージョンのバグによりサイトが機能しない場合、そのブラウザのそのバージョンを弾くのは仕方ないとしても、未確認のブラウザを全て弾く、という形にはしないでもらいたいという点です。
サイトの性格によっては、動作確認済みのブラウザのバージョンにお墨付きを与えるのはユーザに安心して利用してもらうために必要な行為だと思いますが、それ以外のブラウザ、バージョンでも利用はできるようにしておき、その代わりに未検証なので自己責任で利用するように警告すれば済む話だと思います。少なくともOSに最初から入っているブラウザではなく、わざわざダウンロード、インストールしてブラウザを選択したユーザはその辺への理解はあると私は思います。(世界シェア第二位のFirefoxですら見れないサイトというのは未だにあるので、その辺に理解が無いと使ってられません。)