Firefoxと、Thunderbird向けの、ThinkPadのTrackPointのドライバのベストな設定
初回投稿日時: 2012年02月09日16時29分23秒
最終更新日時: 2012年02月09日16時30分26秒
カテゴリ: Firefox Mozilla Core Thunderbird
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TwitterでMakotoさんからThinkpadのTrackPointの設定について情報提供があったので、ここにまとめておきます。
ThinkPadのTrackPointはドライバのインストールフォルダ内にある tp4table.dat というテキストファイルの中身を修正することで、ドライバが知らないアプリケーションに対してもスクロールの指示をアプリ側の期待通りに送信させることができるそうです(私自身は実機を持っていないので伝聞形式になってしまいますが)。
このファイルのFirefox/Thunderbird向けの修正方法として、
*,*,firefox.exe,*,*,MozillaWindowClass,WheelVkey,0,9
という一行を追加する、というノウハウが広く知られているようですが、Firefox 4以降ではこの設定値はベストではありません。各設定値の意味をまとめているブログを発見しましたが、もし、最新版のドライバでもこれらの値しか選択肢がない場合、残念ながらドライバ側の設定だけではベストの状態になりません。ですが、Firefox側でも設定を行うことで改善できますので紹介しておきます。
まず、TrackPointのドライバをアップデートできるのであれば最新版にアップデートしてください。そうすると、上記の行がデフォルトで設定されているそうです。ので、これを以下のように書き換えます。
*,*,firefox.exe,*,*,MozillaWindowClass,WheelStd,0,9
また、Thunderbirdも設定するのであれば、
*,*,thunderbird.exe,*,*,MozillaWindowClass,WheelStd,0,9
という行も追加してください。次に、Firefoxなら、ロケーションバーにabout:config
と入力し、設定のエディタを起動します。Thunderbirdでは、設定画面の詳細の、一般タブにある設定エディタを起動します。
設定エディタ内で、mousewheel.emulate_at_wm_scroll
という項目を見つけ、これをダブルクリックして、trueに変更してください。
これでシステムを再起動すれば、TrackPointでも横方向へのホイールの動作をFirefoxとThunderbirdに送信することができるようになっています。
以下、簡単に変更の意味を解説しておきます。
まず、WheelVkey
は、縦方向にはWindows標準の縦のホイールのメッセージを送信しますが、横方向には左右矢印キーが押された、というメッセージを送信するため、テキストエディタを横スクロールしようとすると、キャレット(点滅している縦棒)が左右に動くだけでスクロールできません。WheelStd
に変更すると、縦方向はそのままで、横スクロールの操作を、「横スクロールしろ」、というメッセージの送信に変更できます。
この変更で、テキストエディタでも横スクロールできるようになりますし、Webアプリケーションでも、左右矢印キーのキーイベントとして認識されて誤作動するということはなくなります。
続いて、mousewheel.emulate_at_wm_scroll
の変更ですが、こちらは、上記の設定で、「横スクロールしろ」、というメッセージを、マウスホイールからの横スクロールの処理だと認識するようにします。
TrackPointから送信される「横スクロールしろ」、というメッセージはマウスホイールのためのメッセージではないため、この設定を変えてない場合は、FirefoxやThunderbirdはマウスカーソルの位置からスクロール対象を決定しません。このため、1回、スクロールしたい領域をクリックしてからスクロールの操作をしなくてはいけません。設定を変えることによって、横方向へのマウスホイールの操作として処理するようになりますので、このイベントを処理するWebアプリケーションが期待通りに機能するようになります。
ただし、このメッセージはウインドウ内をキャプチャするソフトが内容をスクロールするために使うことがありますので、そういったアプリを利用されている場合には、そちらのソフトの動作がうまくいかなくなるかもしれませんので、実害がある場合は元に戻してください(Firefox/Thunderbirdの再起動は必要です)。