この日記はMozillaのプロダクトへの貢献者としての私の成果を中心に、気になったバグやWeb界隈の話題について書いていますが、 断り書きがある場合を除き、いかなる団体のオフィシャルな見解ではありません。あくまでも個人的なものです。 Mozilla Foundation、Mozilla Corporation、及び関連企業の公式情報ではないことに注意してください。

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もずはっく日記(2008年3月)

2008年3月24日

Re: IEからシェアを奪う、を合言葉にしていてはFirefoxが勝てない理由
初回投稿日時: 2008年03月24日05時07分17秒
カテゴリ: Firefox 雑談
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言いたいことはなんとなく分かるんですが、そもそも勝つ、ということが目標ではないのです。Mozillaは。

もちろん、関係者として、勝ちたいっていう漠然とした願望はありますが、それって少なくとも私にとっては一番の目標ではないです。ご存知の通り、IE6の独占状態によりWebの技術的進歩は完全に数年間停滞していました。そして、これを再び動かしたのはFirefoxの急激なシェア拡大でした。Operaがどんなに別のところでシェアを持とうと、実際にシェアが握られているところを突き崩さない限り、こういった改善は起きなかったでしょう。

シェア奪って、金儲けに走って、というのは営利企業としては正しい発想ですが(手段は選べよ、と常々思いますけどね、特に某A社)、それはユーザの求める部分とは異なっています。私はユーザにとってはまともな選択肢がある状況が一番幸せな状況だと思いますが、そういった状況はMozillaも含めてあらゆる企業のブラウザがシェアを握りすぎると実現できません。本音を言うなら、私はMozillaもシェアを握りすぎるべきではないと考えています。(現実的な)選択肢がFirefoxしかない、という状況もまた自由からはほど遠いからです。また、シェアを握りすぎた場合、昔のNetscapeのような暴走が無いとは言い切れないという懸念も残念ながら存在します。

ただし、最低限のシェア、というものはユーザとしての利便性を考えるとどうしても必要です。例えば、今、Firefoxを使っていて問題のあるサイトが減ってきているというのは、決してプロダクトの進化が主な理由ではありません。シェアが伸びたことにより、Webデザイナや、そのクライアントが配慮してくれているだけに他なりません。ですから、企業としてのMozillaがブラウザ業界でのシェアを広げる、というのは非常に大切なことなのです。

根本的なところで発想の違うAppleやOperaとMozillaの経営方針を比較してしまう、というのは無意味ではないでしょうか。

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