Firefox OS スマートフォンが失敗すると考える10の理由 - インターネットコム
初回投稿日時: 2013年07月06日13時50分50秒
最終更新日時: 2013年07月06日13時52分14秒
カテゴリ: Firefox OS News
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ちょっと暇なので、たまにはニュース記事について言及してみる。ちなみに、元記事のマークアップがアホすぎるので、そのままソースレベルで引用したため、スタイルは変になってます。
1. iPhone や Android フォンユーザーが、Firefox OS フォンに乗り換えるとは考えられない
Firefox OS がスマートフォン市場に大きなインパクトを与えるには、Apple の iPhone や Samsung の GALAXY ユーザーが、Firefox OS フォンに乗り換えたいと思う何かが必要だ。だが、Firefox OS 自体、Android OS や iOS ほどパワフルなものではなく、Firefox OS 搭載デバイスのスペックも、既存のスマートフォンには敵わない。iPhone や Android フォンユーザーが、Firefox OS フォンに乗り換えたいとは思わないだろう。
OSとして『パワフル』という意味が分からないので、これはおいとくとして、スペックは、スマートフォンのメーカーが決めることであって、別に、ローエンドなモデルでしか動かない訳じゃないです。
Androidでは動かないような低スペックモデルでも動作する、というところが一番大切で、ケータイに何万円も出したくないユーザにも訴求することができますし、ハイエンド機でAndroidよりもスムーズに動作する、というあたりに強みがある訳ですね。
例えば、シングルコアCPUで、メインメモリが512MB未満の機種にAndroid 4.xを搭載し、モバイル向けブラウザとしては唯一といっていい、機能削減のないフルブラウザである、Firefox for Androidがまともに動作するかというと、そんなことはありません。これがFirefox OSだと、"そこそこ"動きます。日本のスマホユーザーにとって、"さくさく"という感覚はさすがにありませんが、少なくとも十分に実用レベルで動作します。
こういった点を踏まえると、個人的には今後の日本のフィーチャーフォンのOSとして非常に有利なんじゃないかと思ってます。もちろん、現在はそのようなことを想定して開発していませんので、ベンダさんとか、キャリアさんの貢献が必要となりますが。
また、さらに要求の厳しい組み込みOSとしても、可能性はゼロではないですよね。少なくとも、スペック要求が高い、Androidや、他社にライセンスする予定が無いであろう、iOSよりは有望です。
スマホOSとしては、後発であるという点と、まだJavascriptでしかコード書けないあたりに、不得手なジャンルがあって、問題を抱えていることは確かなので、別に楽観視はしていません。
3. Firefox OS 搭載スマートフォンは、ハードウェアスペックが低く、デザインが悪い
ZTE Open と Alcatel One Touch Fire には、iPhone 5 に勝るものは何もない。スペックは時代遅れだし、デザインも良いとは言えない。ハイエンドの GALAXY や iPhone はもちろん、人気の低い Android OS フォンと比較することさえ困難だ。
Moziila がハイエンドの製品に対応するまでは、消費者の関心を集めることは難しいだろう。
デザインに関しては主観でしか無いので、そもそも記事としてどうなんだというのと、なんでまた、1と同じことを書いてるんだって感じですが……
それはさておき、上述のように、ハイエンド製品に非対応なんていう事実は全くありません。
5. Firefox OS でしかできない特別な何かが必要だ
Samsung も Apple も、他社にはない独自機能をスマートフォンに搭載し、自分たちの製品を特別なものにしている。だが、Firefox OS デバイスには、"顧客を魅了する特別な機能"は、何も搭載されていない。
「iOS にも Android OS にもできないが、Firefox OS でならできる」
Firefox OS には、そのような何かが必要だ。
突然、Samsungの名前が出てきて、『あれ? OSの話じゃなかったの?』って感じですが、ベンダレベルで特別な機能が実装できないとか、そういうことはありませんので、完全に的外れです。
今存在しないことを批判されているのであれば、その通りですが、文面からはそういう感じではなさそうな印象を受けました。
6. Web ベース OS には死角がある?
「Web の利用はますます増加しており、そのニーズに応えるには、Web ベースの OS を提供するべきだ」
Mozilla の Firefox OS は、このような考えから生まれた。
だが Mozilla は、Web への常時接続が、世界中どこでも利用できるわけではないという事実を忘れている。常時接続が困難な国では、その国に向けた、その国の言語による Web サービス自体、数が限られている可能性がある。特に Firefox OS がターゲットとしている新興市場では、Web ベース OS はこの問題に悩まされるかもしれない。
ちょっと何を言ってるのかこれも分からないんですが、ひょっとすると、オンラインでなければHTML5アプリケーションは動作しないと誤解されているのでしょうか?
Mozillaの言う、Webアプリってサーバサイドで動くものを指しているのではありません。HTML5関連仕様では、様々な、オフラインに関する仕様があります。サーバにあるデータを処理するようなもの、例えばIMAPのメーラであっても、ローカルにキャッシュしちゃえば、見ることできますよね? そういう風にイメージしてもらうと分かりやすいかと思います。
エンドユーザに対して、この辺の宣伝が足りていないことは実感していますが、記事を書かれる方がこのレベルというのには正直、失望しました。
7. Firefox OS アプリが不足している
Mozilla は、Firefox OS アプリのプロモーションで良い仕事をしており、Firefox Marketplace には、すでに有力なゲームや、Facebook、Twitter などの必須アプリが揃っている。
だが、Apple の iTunes App Store や Google Play と比較すると、アプリ不足は否めない。これは Firefox OS にとっての大きな問題であり、先行する iOS や Android OS と競合していくには、Mozilla は早急にこの問題に対応しなければならないだろう。
各種ストアアプリは、上位の利用率が全体の大半を占めているので、ある意味で数は問題ではないのですが、まあ、印象悪いのは問題ですね。ただ、今までスマホが高価で利用できなかった地域で売れていけば、自然とアプリは増えていくんじゃないですかね。この点に関しては個人的には楽観視してます。
問題は、日本市場だと、Skypeや、LINEといった、『無いと話にならないアプリ』で、なおかつ、『HTML5アプリとして制作することが困難なもの』をどうするか、というあたりが深刻ですね。これらのアプリは、同等機能のものがあっても、ユーザには無意味で、『周りが使っているものが入っていないと駄目』の世界ですからね。
9. よりオープンであることは、より良いことなのか?
Mozilla は顧客に対して、Firefox OS が Android OS よりもオープンであることを謳い文句にして、売り込みをかけている。Android OS のコードは Firefox OS とは異なり、完全に無料ではないと主張しているのだ。
たしかにそうだし、その事実はスマートフォンベンダーや開発者にはアピールするかもしれない。だが、一般消費者にとっては、どうでもよいことだ。
私が不勉強なのかもしれませんが、たぶん、エンドユーザに対して、『オープン』を売りにはしていないと思います。ミッションを説く上で、言葉が出ている可能性は高いですが、売り文句にはしていないと思います。
現在のWebKitとBlinkに一極集中したモバイルのWeb環境が好ましくないのは、昔を知らないWeb開発者を除けば、誰の目にも明らかです。多様性のない世界は、停滞し、腐った牛乳しか産みません。これは、たとえ、Geckoが市場を独占したとしても同じことが言えます。
10. Mozilla には、他のモバイル OS を倒そうとする気概がない
Mozilla は、Android OS や iOS と競合する気はないと述べている。そうではなく、Android OS や iOS を望まない顧客に対して、代替 OS を提供したいのだという。だが、このメンタリティは間違っている。
Android OS は、Firefox OS のシェア拡大を阻むライバルとなるはずだ。Android OS は先進国だけでなく、新興市場の顧客からも人気が高い。Android OS はまた、顧客からだけでなく、スマートフォンメーカーからも高い人気を得ている。Mozilla が市場シェアを取りたいと思うのであれば、Android OS のシェアを削る覚悟を持つ必要があるだろう。
なんか極端な意見ですね。無理矢理にでもユーザに移行してもらいたい、という欲求をもつ企業、団体ではないということを念頭に置くべきです。自然と移行してくれるユーザを閉め出したりするわけでもありません。
特にAndroidに言えると思いますが、他に選択肢がないので、Androidを使っている層も一定数居るでしょう。かつてのデスクトップでのIE独占時代と同様です。そういった人達全てがFirefox OSを採るとは思えませんが、一定数、移行する人は居るかもしれません。選択肢の提供が目的であり、市場シェアナンバーワンになるといった、一般的な企業の目標とは根本的なところで異なっているのです。
このような考え方が必ず『失敗』に結びつくのであれば、デスクトップ版のFirefoxはシェアはもっと0%に近いはずです。