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もずはっく日記(2008年12月)

2008年12月31日

IMEのベンダに感じる問題
初回投稿日時: 2008年12月31日21時07分10秒
最終更新日時: 2009年01月08日15時22分05秒
カテゴリ: 雑談
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愚痴ついでにIMEまわりの修正を行っていて常々感じている問題点を列挙しておきます。IMEのベンダの関係者の方が見ていたら、是非、検討していただきたいことです。

問題点1: 開発者向けのライセンスがない

開発者向けのライセンスがないため、IMEまわりのデバッグを行うには製品のライセンスを通常通り買い続けないといけません。常用しているWindowsのATOKでは年一回、製品のバージョンアップがありますが、それ以外にもMac版のリリースがあったり、他のIMEのライセンス購入もしなくてはいけなかったりと、やたらと金食い虫です。そのため、絶え間なくIMEを各アプリケーションのベンダは買いそろえ続けなくてはいけません(さすがにMS Office等の高額製品を買わないと入手できないMS-IMEは完全に断念していますが)。もし、買い損ねたまま、販売が終わってしまっているIMEとの連携に問題がある場合、そのIMEを持っていないと対応不能に陥ってしまうからです。ダウンロードで、ある程度古いバージョンから最新のバージョンまで入手できるライセンスというのは必要だと思います。

問題点2: 英語のUIが用意されていない

開発者としてIMEまわりのテストや実装を行っていると、自分の知らない言語のIMEであっても利用しなくてはいけません。これは漢字を利用しない開発者にとってはより深刻な問題です。

現在、ほとんどのメジャーなソフトウェアは英語圏で開発されています。当然、日本語や中国語の言語処理についてはある程度の開発はできても、それらの言語を読み書きできる開発者はほとんど居ません。そのため、日本語や中国語ができる開発者が居ない製品では特定のIMEとの連携を改善するためには英語版のUIが無ければ、実際にインストールしてテストすることができないのです(バグの現象自体は言語を知らなくてもレポートからなんとかなりますが、環境作りはいかんともしがたいのです)。

当然、UIそのものだけではなく、ダウンロードの案内等、一通りのサービスが英語で提供されていなければ意味がありません。先日のAdobeのFlash Playerの開発者にATOK固有の問題を対応してもらうのにも、この言語の問題で非常に難航しました(ATOKの最新版のみ、幸い、ダウンロードで30日試用できるようになっていたのは大きかったです)。

問題点3: システムロケールがIMEの扱う言語と異なる場合に動作しない

未だにUnicodeベースではないアプリケーションが多いWindows固有の問題ですが、Windows版のIMEは未だにUnicodeアプリケーションになっていないものが多いです。

ATOKももちろんそうですし、中国語のIMEでもいくつか見受けられます。これらのIMEをテストするためにはシステムロケールをそのIMEにあわせて再起動する必要があり、とても効率よく開発できるようなものではありません。

そろそろ全てのIMEにはUnicodeアプリケーションに移行してもらいたいものです。

文意は変えていませんが、色々と加筆修正しています。あまりにも変な文章だったので。

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