マーケティングとプロダクトの完成度のバランス
初回投稿日時: 2008年08月26日02時50分48秒
最終更新日時: 2008年08月26日03時15分44秒
カテゴリ: 雑談
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某所で知ったblog記事、『なぜ「iPhoneキラー」がことごとく失敗するのか』読んでみました。ですが、内容の主旨というか筆者の方の言わんとしてることには納得できるんですが、iPhoneの例がよく分かりませんでした。
Appleってどう贔屓目で見ても消費者のことを第一に考えた商売をしているよう思えませんし(どちらかというと、MSや日本の家電メーカーと同じ囲い込み戦略ですよね)、消費者が満足したのかどうか、その結果はもっと後(例えば今使ってるユーザが次世代機発売時にどの程度乗り換えるのか等)で分かることであって、今の勢いや売り上げ台数等をもって「消費者指向」のもの作り
だから成功してるんだ、という結論は違うと思います(その後ろのマーケティングには同意ですが)。商品ってのは買ってから自分の思い込みが裏切られることなんて日常茶飯事ですし。
そんな訳で、今の段階で成功した(本当に成功と言えるほど売れてるのかどうかは知りませんが)理由というのは単純にマーケティングのおかげだと思う訳です。
まあ、他社のことは、これぐらいにして本題へ行きましょう。
私はGeckoの開発で常々感じていることなのですが、マーケティングが上手すぎるというのは、それはそれで恐いこと(リスキーなこと)だと思います。プロダクトの成熟度に対して不相応にシェア拡大が起こってしまうと、開発に対して理解の薄い層の信頼を一気に失ってしまう怖さがあります。一度、製品に対する信頼を失ってしまうと、そのユーザが再び新バージョンを使えるか否かテストしてくれる可能性が非常に下がるんではないかと考えているからです(もし、そうではないのであれば、ただの私の杞憂なのでありがたいことですが)。
例えばGeckoの場合、IME関連の基本的なバグや、URLの改行問題等、一見、修正できて当たり前な大物バグを修正するのにバージョンが1.9まで来てしまいました。もちろん、修正に時間がかかったのにはそれなりに、色々な事情があるからなのですが、ユーザにとってはそんなこと関係ありませんから、『こういう目立つものも修正できないのか』と考えられてしまっても仕方がないと思います。
あまりライトユーザに普及しない間に大きな問題を排除していける、というのは開発者としてはありがたいことだと私は感じていますが、iPhoneのようにマーケティング担当がいきなりライトユーザーにアピールしてしまう製品は大変だなぁと思います。