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もずはっく日記(2007年2月)

2007年2月24日

Bugzilla-jpは回っていない訳ではない
初回投稿日時: 2007年02月24日08時02分26秒
カテゴリ: Bugzilla-jp
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あまり、人手が足りないというような話ばかりしていると外野からbugzilla-jpなんて役にたってないんではないか、なんていう誤解を受けると嫌なのでフォローを。

そもそも、もしbugzilla-jpが役に立っていないなら、私は既に見捨てているだろうし、Mozilla Japan主導で何かやるべきなんだと思う。でもそれをやらないのはbugzilla-jpというコミュニティが機能しているということだ。ここで書いたかどうか忘れたが、Mozilla Japanが出来たときにMozilla Japanでbugzillaを運用すべきかどうかという話があり、そのときに私は必要無いと答えた(当時はMozilla Japanのメンバーでは無かった)。ユーザコミュニティと違って、情報が集約されるべき開発コミュニティの分散は好ましく無いからだ。

私がbugzilla-jpが有用だと考えている点は、開発者に都合の良い日本語で運用されているバグの管理システムが他には無いということだ。英語を読み書きするのはやはりしんどい。相手が日本語の通じない相手だと仕方がないという考え方になるが、相手が日本人だとその労力は無駄でしかない。また、コミュニケーションに失敗する可能性も高くなる。ネイティブな言語で仕事をするのが一番楽なのは確かだ。

それに、私以外にも実際にパッチを書いてくれている日本人とコンタクトがとりやすくなる。本家bugzillaのバグの件数はとにかく尋常ではない。日本人でこっそり活躍されている方がいても、フルタイムで関わっている私すら、まずそれに気づくことは無いだろう。それでは支援も何もあったものではない。バグの内容によってはオール野党な状況下で話をしていかないといけないこともあるからだ(それでいて勝利しなくてはならないことも多い)。

また、パッチを書くレベルになると本家でのレビューの際に英語でのコミュニケーション能力が必要になる。だが、パッチを書く能力と、英語の能力は全く別物なので、共に無い限り開発に参加できないという状況は間口を無駄に狭めてしまうため、良くない。いくつかのバグで実際に行ったように、それを代行することが可能になるという点で、bugzilla-jpというワンクッションは非常に重要だ。

そして日本語で運用されているので、本家とは違うバグで盛り上がったりする。日本語処理固有のバグだったり、日本のメジャーサイトでの問題だったり、民族性の違いだったり、理由は多々あるだろうが、実際にパッチを書く者にとっては修正の優先順位の参考としてこれは非常に重要な情報となる。

最後にそのシステムが非常に良くできているという点。バグを愚痴のように書いているだけのコミュニティがあったとしても、それでは何の役にも立たない。バグの存在を知ることは大切だが、存在だけが分かってもそれを検証したり管理したりする機能が無いとただのノイズでしかない。そういう点でbugzillaは非常に出来がよく、使いやすいシステムである。それを更に優秀な管理者がメンテナンスしてくれているという点も見逃せない。おかげで私は不満を言える立場にあるぐらい、その作業には関わらなくて済んでいる。

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