念のために書いておきますが、以下は完全に私見です。
前のmarqueeタグ実装の時みたいな政治的絡みからの問題じゃないだろうし、ime-modeは静かに消滅してもらいたいですね。
私の考えは全く逆で、ime-mode
の機能はなんらかの形で標準仕様化してもらいたいと思っています。それができるとは考えていないのですが。
私は前職でとある企業のシステム開発をやっていました。システムはWebベースではなく、Windowsネイティブでしたが、そのシステムではime-mode
にあたる機能が必須となっていました。実際にテストで何度もそのシステムを利用していると、IMEの自動制御も悪くはないと思うようになりました。ですから、ユーザがアプリがIMEを変更することを知っていて、それが納得いくものならime-mode
はそれほど悪いものではないと思っています。
Firefoxが今後もシェアを伸ばしていく上で、IEがサポートしている機能のうち、ActiveXを除き、イントラネットアプリケーションで必要とされる機能は私はどんどん実装していくべきだと考えています。もちろん、標準仕様とバッティングがあるようなものや、標準仕様で代替できるものであればその限りではありませんが。
ime-mode
の場合、これに似た機能がどのような仕様にも全く存在しません。実際問題として標準化しようとしてもありとあらゆるデバイスをターゲットにしたいWeb標準仕様との相性が悪いのです。例えば今回の実装においても、Linuxではactive
値とinactive
値はサポートできませんでした。また、Macでのこれらの実装は非常に無理矢理なものとなっています。似たデバイス間でもOSが変わると、とてつもなく互換がとりにくい、システムに非常に依存した特殊な機能なのがその原因です。ここに、モバイルや家電も含めようとすると仕様の策定は不可能ではないかと思います。
しかし、MJのブログで述べたとおり、一般的なWebサイトでの利用は「悪」である可能性は極めて高いプロパティであることは間違いありません。理想的には現在のサイトがパブリックなサイトであればime-mode
を無視する、という形にしたかったのですが、そのような方法は思いつきません。であれば、副作用とのバランスから、素直に実装してしまっても問題は無いと考えました。
もし、今後、ユーザからの苦情があまりに多く、良い改善策があれば、その挙動になんらかの制限を加えることはやぶさかではありません。ですが、ime-mode
の廃止自体は絶対にありません。MJブログで述べたとおり、世界にはそれで困る人が居る可能性があるからです。Geckoのいい加減なIMEの管理があまりにも長すぎたため、パスワードエディタの挙動変更にはそれだけのリスクがあった、ということも理解してもらいたいと思います。
今はWebデザイナ、開発者の方々がこれの利用に対して賢明な判断をとられることを祈るのみです。そのために必要な情報はブログですべて提供したつもりです。
あと余談ですが、marquee
は今後、本格的に実装されるべきだと考えています。ただし、策定中のCSS3の内容に沿う形で、です。超低解像度デバイス(携帯電話等)ではmarquee
は利用価値の高いものだと私は思います。Firefoxが今後、モバイルも視野に入れるのであれば、これは無視できないと考えています。