IE7ではWeb標準への対応も改善されると騒いでいるが……
初回投稿日時: 2005年03月19日14時11分50秒
最終更新日時: 2005年03月19日14時24分37秒
カテゴリ: IE
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IEBlogにポストされた内容からニュースサイト等でIE7ではWeb標準への対応が改善されると期待する記事をよくみかける。
もちろん、IEBlogにポストされた内容が本当なら、その姿勢は素晴らしいことだ。今までは見向きもしていなかったWeb標準に、再びフォーカスを合わせたことになるのだから。
しかし、ここで注意しなくてはいけないのは、方向性が決まったということと、実現されるということとは全く別の話だということだ。
Mozillaの過去を思い出して欲しい。Mozilla1.0がリリースされるまでに一体、どれだけの年月がかかっただろうか? CSS2のレンダリングエンジンを作るというのはとても困難な仕事なのだ。
IE6はCSS1仕様に準拠したエンジンであり、更に、いくつかのCSS2のプロパティを強引に付け足したものだ(例えばoverflowやposition)。CSS2に準拠させようとすると、CSS1準拠のソースコードをCSS2準拠のものに書き直し、更に未だ実装していないプロパティや値を追加実装しなくてはいけない。そう、CSS2準拠にするというのはCSS2のプロパティを単純に追加実装すれば良いという話ではないのだ。実際には、ボックスモデルの修正等、バックエンド部分の修正が必要で、これが困難なのである。
IE7はFirefoxの快進撃にあせったMSが突如開発を決定したバージョンなのは誰の目にも明らかだ。MSはIE7で何が変わるのかを明言していないが、これはマーケティング上、秘密にしているのではなく、決まっていないから話せないことも多いのだろう。
この推測が正しいなら、IE7の開発者はわずか半年でレンダリングエンジンを改善しなくてはいけないことになる。
Firefox1.0.xは昨年五月のGeckoエンジンだ。これと、現在のNightlyのGeckoエンジンを比べてみて欲しい。果たして、どれだけのバグ修正を発見できるだろうか? 多くの人はほとんど違いがないように思えると思う。実際には多くの仕事が行われているが、ユーザからしてみればそんなものなのだ。だから、IE7に過度の期待を持っていると裏切られる可能性が大きいだろう。