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もずはっく日記(2006年3月)

2006年3月16日

オープンソースはありとあらゆる要望を取り入れるものではない
初回投稿日時: 2006年03月16日02時12分51秒
最終更新日時: 2006年03月16日03時55分04秒
カテゴリ: 雑談
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Bugzillaで作業をしていて、オープンソースプロダクトはユーザの要望を積極的に取り入れていくべきだという思いこみを抱いている人がいるように思える。程度の問題であるのは言うまでもないが、過度のアプローチが破綻を招くことは、旧Mozilla Application Suite(現SeaMonkey)が皮肉にも証明してしまっている。ユーザの要望を(たとえその声が大きかったとしても)無闇に取り込むことはアプリケーションの肥大化を招く。toolkitによるアプリケーション群(FirefoxやThunderbird)のそれに対する答えが拡張機能であり、これは一定の成功を収めていると思う。(もちろん、先日、Developer Meetingで言ったように予期せぬ(?)弊害が出てしまっていることも否めないが。)

それでも拡張機能では難しい機能や、抜本的な改造が必要なものになると要望が提案され続けている。で、その中で問題だと思うのは(おそらく大半がそうなのだが)、自分が作業をする訳でもないのに要望だけ出していく人間である。こういった個人的な要望は開発コミュニティのデータベース上ではただのノイズだと思う。本当に多数の人が集まるのは開発コミュニティよりユーザコミュニティなのだから、ユーザコミュニティでよく挙がる要望を開発者が参考にすべきだと思う。つまり、要望はユーザコミュニティで一定の賛同、反応を得るべきであり、開発者はユーザコミュニティでよく持ち上がる要望を実装のアイデア、またはパッチと共に開発コミュニティに持ち込むべきだと思う。

要望の報告の難しいポイントは要望を思いついた人にはとても便利な機能という点である。だから、開発コミュニティに要望を出してくる人は要望が却下されると文句を言うが、これは提案者と、開発者に温度差がありすぎるために発生する。開発者からすれば、提案者がいくら便利だと騒ぎ立てたところで、実際の世論を知る由もないから、すぐに乗り気になれる優れたアイデアで無い限りは却下、あるいは放置ということになる。これを覆すにはやはりどのくらいの人が欲しがる機能であるかを開発者に示さなくてはいけない。それにはユーザコミュニティが一番良い場所だと思う。その要望がユーザコミュニティで大多数の賛同を得られない、または、その話題で盛り上がらないなら(おそらくは大抵はそうである)、開発者がその要望を蹴るのは正解だと言えると思う。

念のため追記。ユーザコミュニティで要望を出して反応を見るべきだと書いたが、もちろん、それが許される場所での話である。既存のユーザコミュニティがどこもかしこも要望を受け付けてる訳ではないと思うので、そのへんはそのユーザコミュニティのガイドラインなり、雰囲気から投稿して良いものかどうか判断すべきである。

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