ブラウザ判定(しかもダメダメ)しているYahoo! Japan #3
初回投稿日時: 2008年01月02日22時50分46秒
最終更新日時: 2008年01月04日01時37分03秒
カテゴリ: 雑談
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色々と反響があり、嬉しい限りです。やっぱり過激な書き方した方が人が来ますね(笑)
Yahoo! Japanが導入したブラウザ振り分けについて中野さんと石川さんのやりとりを拝見しました。理想は中野さんのおっしゃる通り、原則として標準仕様へ沿ったコンテンツを返す、という方式でしょう。しかしながら、古い環境の為に用意したのであろう、制限されたトップページはより多くの環境で表示可能であると期待されます。未知の環境に対してとりあえず表示できるコンテンツを返すという判断は、適当であるように感じます。従って、
このように最新状況にキャッチアップしていくサイトにおいては、フォールバック対象を前方互換(つまり未知のブラウザ)よりも後方互換(化石ブラウザ)に絞るのは間違った判断だとはいいきれないという主張を支持します。理想的ではないけれど、現実的な解であることは確かです。
私も後方互換に関しての言いたいことは分かります。理解も納得もできます。
ですが、後方互換へのフォールバックを好ましい、または現実的と考えるのであれば、そのような超複雑な設計のものをトップページ(多くのユーザにとっては入り口)に採用してしまうことが間違いで、非現実的な手法だと思います。今回の新しいトップページは個人によるカスタマイズすら念頭に置いています。つまりトップページがWebアプリケーションそのものになってしまっています。
アプリケーションとしての(複雑な)機能と万人へのアナウンス、両立しないものを両立させようとしている時点でとても難しい調整が必要なことが分かります。そしてYahoo! Japanは今回、見事に失敗していると思います。アプリケーションとしての機能が死んだ状況でも、トップページの本来の内容は全て表示するべきなのです。つまり、フォールバックされた先にあるものはフル機能版と比べて、そのトップページとしての機能を果たせていません。
それはさておき、フォールバックされた時に表示されるページはCSSはガリガリと使ってますので(中途半端にテーブル混じってるのが気になりますが)、CSSブラウザしか相手にしていないと思います。であれば、Javascriptで提供している機能のみを殺した、もっとマシなものが作れそうなものですが……
異なるURIで代替コンテンツを提供、つまり一部環境を転送するという手法には一つの難点があります。アドレス表示欄からコピーされてしまう時、意図しないコンテンツを取得されてしまう可能性があるのです。
この段落の実例をよく理解できなかったのですが、URIを異なるものにしておくと、どちらのコンテンツにもどのUAからでも柔軟にアクセス可能になります。その場合、明確に二つのコンテンツがあることが理解、もしくは説明可能です。今回の様に事実上無言で全く異なるコンテンツを返されるのであれば、URIは変わるべきです。そうでなければ、トップページにアクセスしたものの、本来とは別のページが表示されていることに気付きようがありません。たとえば、別々のブラウザを使っている人同士がYahoo! Japanのリニューアルについてチャットでやりとりしようとすると、おそらくコミュニケーションはしばらく混乱するでしょう。Debianユーザのように、すぐにIEやSafariで確認できないユーザならなおさらです。URIが異なっていれば、リダイレクトを使われない限りはこのようなことは起きません。原則としてURIはコンテンツを示す一意のものであるべきです。
私は異なるURIに自動で移動するようにすべきであるとは言いません。むしろ、壊れたページを見せて、対応できないなら簡易版を使うように誘導するのが本筋だと思います。
もちろん、そのように壊れたページを見せることがマーケティング上、よろしくないことは理解できます。で、あるならば、上述のように複雑かつ特定のブラウザしか受け入れないクローズドなサービスをオープンであるべきトップページに採用すること自体が間違いだと言えます。